森井のコラム

2008年5月1日

二極化の加速

昨年のサブプライム問題発覚以降、急激な信用収縮によって金融マーケットから始まった動きは株式に、次いで不動産に、今年に入って大きな影響を与えてきました。
当初単純なサブプライム危機かとの認識は、派生商品CDO(※1)やプライムいわゆる低信用でない債券にまで大きな毀損を拡大しています。そのレバレッジの大きさは計り知れないことがますますマイナスを拡大しています。
とはいえ、経済は循環の生物。
毎度の景気拡大と、衰退の繰り返しが無くなることは人間社会がある限りありません。
現在の不動産市場収縮の最大の要因は、外資の資金と人員が引いているためですが、ここにきて、今回の激動で改めて投資を再開するための外資での新たな人員増加も目立ってきました。
借入のLTV(※2)が軒並み10%程度下落し、リファイナンスが出来ず債権回収の動きも今後急速に顕在化することから、今秋のリファイナンスの山に向かって初夏から盛夏にかけ大きな市場変動がありそうです。
資金余力のある投資家は、ここぞとばかりに良い物件を底値で拾おうとするのは当然でしょうし、中小物件においては、資金調達コストや建築費の高騰から競争力の悪化は避けられないでしょう。

地方格差も拡大し、行き過ぎたマーケットに調整が発生しています。
一昨年秋ぐらいに程良い投資価格感を感じていましたが、この時期の水準程度への調整がなされてゆくのではと感じています。
鑑定のスタンスでも昨年春以降の急激な高騰への追随は危険と判断しており、今回の下落でマーケット水準が我々の鑑定水準に戻ってきた感があります。
依然滞留する世界中のエクイティーは、リスクが下がった部分を発見すれば以前にもまして急激に投資へ動こうとするでしょう。
とくに、アメリカの投資家が動き始める際には、アメリカ本国のデットもつれてくることになるでしょうから、日本国内で細ったファイナンスマーケットも息を吹き返すこととなるでしょう。
今の感覚では、今年後半が荒れ模様、来年がややゆっくりした成長期、再来年から熟成期へ向かって行くような気が致します。

※1 CDO 債務担保証券(金銭債権で構成される資産を担保として発行される証券)
   Collateralized Debt Obligationの略
※2 LTV 不動産の価格に対する負債の割合 Loan To Valueの略