森井のコラム

2006年9月1日

潮目の変化

去る5月の世界株安の後、アメリカの住宅地価格の下落、国内金利の上昇など色々と投資環境が難しくなった感があります。一部で高騰する不動産マーケットを静観する投資家の動きも出る中、REITの上場でも公募割れが多く、アレンジャー泣かせの市況にご苦労されておられる方も多いことと思います。ここにきて、ようやく株式マーケットも落ち着きを見せ、ヘッジファンドの動向もやや大人しいようですが、今後を占うのが益々難しくなってまいりました。
8月中旬より、それまで世界各地で同様に上下変動を繰り返してきた株式市場の動きが急に同調性を低下させ、あたかも地元主導で各国の市場が動いているかのようです。急騰を続けた石油をはじめとする先物市場にも急ブレーキが掛かり、まるで急激な市場変動で大きく損失を被り恐れをなし流出した個人資金の呼び戻しをマーケットが画策しているような気さえします。
とは言え、膨張を続けるマネー経済に止まる気配は無く、アメリカの主導するドル経済世界の拡大政策が減速するとは考えにくいと言えます。
マネー経済の拡大に伴って、急速に拡大を続ける発展途上国の市場経済が、先進国のリスクマネーを吸収し生活レベルが向上し、ますます消費経済が拡大することから当面この傾向は続きそうです。
ただ、中国・インド・ロシアなどの巨大な人口を持つ国家が急速に消費を拡大すると資源の不足感は増大することになるでしょう。
巨大な輸出国として経済を急成長させた中国は、今や巨大な輸入国となってまいりました。
本格的にこれらの国の生活水準の向上が顕在化すれば、巨大な人口を有する中国やインドの消費が一気に拡大することとなり、食料や石油が不足する可能性が大きくなります。
食糧危機の気配が出てきたときは、世界のマネーが大移動を起こし、先物市場も混乱する可能性があります。
もっとも、行く末はと心配するより色々と手を打ちつつ、バブル崩壊後の回復期から熟成期へ移行しつつある日本の投資マーケットは、これらのリスクを取りながらも、変動し拡大成長を遂げることになるのでしょう。
ヨーロッパやインドでもREITの拡大が始動する中、今後も不動産の金融商品化がマネーの受け皿のひとつとして世界的に成長してゆくことでしょう。
9月に入り、今年の第二幕はどのような展開となるのか期待してまいります。